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お別れの会とは?葬儀・告別式との違いや選ばれる理由、参列マナーを徹底解説

お別れの会とは?葬儀・告別式との違いや選ばれる理由、参列マナーを徹底解説

「お別れの会」
近年、近親者のみの家族葬が増えたことで、葬儀後に「最後のお別れがしたかった」という声が友人や知人から寄せられ、改めて場を設ける必要性に迫られるケースが急増しています。
しかし、そこで立ちはだかるのは親族間での心情的な不一致、費用の実態、そして「社会的に失礼にならないか」という切実な懸念です。
本記事では、専門的な視点からお別れの会の定義を整理し、葬儀・告別式との決定的な違いを比較。さらに、開催・参列を悔いのないものにするための「大切な4つの心得」を軸に、納得感のある別れの形を構築するための情報を網羅的に解説します。


お別れの会とは?基本的な意味と特徴

お別れの会とは、特定の宗教儀礼の枠組みに縛られず、故人と縁のあった人々が集まって感謝や別れを伝える自由形式の会です。
伝統的な葬儀が、宗教者が主導して「故人を供養し、あの世へ送り出すための儀式」という厳粛な意味合いを持つのに対し、お別れの会は、遺族や友人が主体となり「故人の人生を称え、生前の絆を再確認する場」としての側面を重視します。
悲しみに沈むだけでなく、故人が遺した功績や、共有した笑顔を振り返るポジティブな要素も含まれます。


主な構成要素

  • 宗教色にとらわれない多様な受容
    無宗教形式が一般的ですが、近年では「伝統と自由の調和」も広く選択されます。例えば、会の冒頭に短い黙祷や献花を設けて宗教的な敬意を示し、後半は和やかな立食パーティー形式での交流の場とするような、多方面の心情に配慮した折衷案も普及しています。これは、特定の信仰を持たない現代人のライフスタイルに寄り添った形といえます。
  • 「個」の軌跡を辿る自由な演出
    形式が定型化されていないため、故人の人となりや個性を最大限に反映できます。愛したジャズの生演奏、趣味で制作した絵画や陶芸の作品展示、あるいは幼少期からの歩みを辿るメモリアルムービーの上映など、参列者が五感を通じて故人を偲べる場を創出できます。こうした演出は、参列者が故人との固有の思い出を呼び起こすきっかけとなります。
  • 準備期間の確保による心理的余裕
    逝去直後の混乱と悲しみの中で執り行う葬儀とは異なり、四十九日や百箇日、一周忌などの節目に合わせ、逝去から1〜数ヶ月後に開催されます。この時間的猶予があることで、遺族は「急性期の悲嘆」から少しずつ落ち着きを取り戻し、故人にとってどのような別れが最もふさわしいかを冷静に吟味し、心を込めて準備できるようになります。

2. 葬儀・告別式とお別れの会の比較

目的や会場、そして意思決定の大きな判断基準となる「費用の考え方」を比較しました。


項目お別れの会葬儀・告別式
主な目的思い出の共有・親睦・感謝の表明故人の供養・社会的な別れの儀礼
宗教性原則なし(自由な形式と精神性)強い(各宗派の教義・伝統儀礼)
費用の性質会場費 + 飲食代 + 演出・企画費斎場費 + 布施 + 返礼品・飲食
開催時期逝去の数週間〜数ヶ月後(節目に)逝去後、通常は数日以内(緊急性あり)
会場ホテル・レストラン・専用斎場斎場・寺院・自宅
参列者友人・知人・仕事関係・趣味の仲間親族・近親者が中心

葬儀費用が「お布施」や「心付け」といった慣習的で金額の見えにくい要素を含むのに対し、お別れの会は「参列者一人あたりの飲食代」や「会場設営費」といった、ゲストへのもてなしの対価が主となります。そのため、内容と費用のバランスを論理的に把握しやすく、納得感を得やすいのが特徴です。


【主催者の方へ】会を円満に進めるための3つの心得

自由な形式は、裏を返せば「主催者の配慮」が会の質や後味を左右することを意味します。以下の3つの課題に丁寧に向き合うことが、周囲の理解と満足感を得る鍵となります。


① 親族との心情的な不一致を防ぐ「事前の対話」

無宗教形式は、先祖代々の伝統や供養を重んじる親族から「これでは十分な弔いになっていない」「故人が報われないのではないか」と不安視されることがあります。

配慮のポイント
進行のなかに「黙祷」や「一斉献花」といった静謐な時間を必ず組み込み、宗教儀礼に代わる「最大級の敬意」を形にします。また、菩提寺(先祖代々のお寺)がある場合は、納骨やその後の法要に支障が出ないよう、事前に住職へ「葬儀は別で済ませており、今回は友人向けのお別れの場である」旨を説明し、理解を求めておくことが、後々のトラブルを防ぐ不可欠な対話となります。


② 費用の納得感と明快な予算立て

会場となる施設の格や、提供する料理・返礼品の質により、費用は一人あたり数千円から数万円まで大きく変動します。

配慮のポイント
「会費制(一般的に1万円〜2万円程度)」を導入することで、遺族の急な経済的負担を抑えつつ、参列者の「いくら包むべきか、香典返しはどうなるのか」という心理的な迷いを解消できます。ホテル等の専用プランを活用すれば、詳細な内訳を確認しながら、自分たちの身の丈に合った予算を立てることが可能です。会費が飲食代に見合っていると感じられれば、ゲストの満足度も高まります。


③ 遺族の負担を分かち合う「共助」の形

深い悲しみの余韻の中で、名簿作成から会場の手配、当日の差配までを遺族のみで担うのは、精神的にも過酷な作業です。

配慮のポイント
故人と親交の深かった友人や同僚に協力を仰ぎ、小さな「準備委員会」のような形で役割を分担しましょう。受付や思い出の品(写真・愛用品)の展示、当日の司会などを信頼できる仲間に託すことで、遺族は「主賓」として参列者一人ひとりと向き合い、故人の思い出を語らう大切な時間に専念できます。自力での運営に不安がある場合は、専門のプロデュース会社のサポートを仰ぎ、ディレクションに集中するのも賢明な判断です。


【参列者の方へ】敬意を示すためのマナーと装い

案内状にある「平服」の解釈を誤ることは、自分自身が会場で浮いてしまうだけでなく、主催者が作り上げようとしている静粛な空気を損なう要因にもなりかねません。


装いの定義:「略礼服(セミフォーマル)」としての節度

お別れの会における「平服で」という言葉は、日常着(カジュアル)という意味ではありません。主催者の「あまり堅苦しくせず、故人を温かく送ってほしい」という配慮を汲みつつも、「法事の準礼装」に準じた、故人への敬意を感じさせる装いを意味します。

  • 控えるべき装い
    華美な色彩、光沢の強い素材(エナメル等)、殺生を連想させる革・毛皮製品(クロコダイルやファー等)、派手なデザインのジュエリーは避けるのが大人の礼儀です。
  • 男性
    ダークスーツ(黒、紺、濃グレー)に、白シャツ、ネクタイは黒または地味な無地の寒色系が基本です。靴やベルトもマットな素材を選びます。
  • 女性
    黒や紺、深いグレーのワンピース、またはアンサンブル。袖丈やスカート丈で露出を控え、ストッキングは黒または肌色を選びます。パールなどの控えめな一連のネックレスなど、装飾は最小限に留めます。

会費と供養の心:重複による負担を避ける

  • 会費制の場合
    会費そのものが、当日の飲食代と供養の印(香典)を兼ねています。別途、香典を持参することは、遺族に返礼(香典返し)の手間をかけさせることになるため、原則として不要です。「別途包まないことが、主催者への一番の配慮」というルールを意識しましょう。
  • 会費制でない場合
    一般的な葬儀の相場(知人であれば5,000円〜1万円程度)を「御花料」や「御香典」として包みます。ただし、案内状に「ご厚志辞退」等の記載があれば、その潔い意向を尊重し、何も持参しないことが最も丁寧な対応となります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 葬儀を行わず、お別れの会だけで済ませてもよいのでしょうか?

A. 近年では「直葬(火葬のみ) + 後日お別れの会」という形は、一つの合理的で温かな選択肢として定着しています。ただし、親族のなかには「最期のお顔を見てお別れしたかった」という強い思いを抱く方もいます。事前に周囲と十分に話し合い、理解を得ておくことが、会を成功させるための前提条件となります。


Q. ホテルで開催する場合、遺骨を安置することはできますか?

A. 多くのホテルでは、衛生管理や他のお客様への配慮から、遺骨の持ち込みを制限しています。その際は、遺骨の代わりに、故人の人柄が生き生きと伝わる大きな遺影や、生前愛用していた楽器や道具などを中心に祭壇を構成し、温かく豊かな空間を演出するのが一般的です。


まとめ|納得のいく「最良の別れの形」を

お別れの会は、単なるパーティーやイベントではなく、故人と残された人々が「心の区切り」をつけ、前を向くための大切なプロセスです。
形式の正解を求めるのではなく、親族への丁寧な対話、費用の明快さ、そして周囲との助け合いを大切にすることで、遺族の負担を和らげつつ、かけがえのない時間を創り出すことができます。この記事が、あなたにとって悔いのない、温かなお別れを実現する一助となれば幸いです。

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